WHITE FOXが伊豆高原に作るアニメスタジオを訪れて見えてきた地方スタジオの新しいコンセプト - 制作会社探訪
30
2015

WHITE FOXが伊豆高原に作るアニメスタジオを訪れて見えてきた地方スタジオの新しいコンセプト

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2016年に話題の地方アニメスタジオがオープンするのを御存知でしょうか。2014年末、WHITEFOXが静岡県の伊豆高原にアニメスタジオを作ることが発表されました。昨今、東京のアニメ会社が地方にスタジオを作るという動きが少しずつ出てきてますが、WHITEFOXも地方へ進出するというわけです。この伊豆高原スタジオは、新人育成の為のスタジオになるということなんですが、他のアニメ会社が作った地方スタジオも基本的には新人育成を主としてます。ところが、WHITEFOXの伊豆高原スタジオの場合、募集要項を読むといくつかの独自性が見えてきて非常に興味深いのです。

まず、中村和久さんが伊豆高原スタジオに常駐し新人さんへの指導を行うということ。中村さんがデッサンから指導を始め、動画、二原と経験した上で1年後には原画を始められる人材を育成するという計画。ゆくゆくは、生え抜きのキャラクターデザイン、総作監、作監を任せたいと書かれてます。また随時、東京で活躍するアニメーターさんによる講演も予定してるらしく、それも面白そうです。

もう一つが、生活面のバックアップ。伊豆高原スタジオはスタジオ内に寮を備えていて、光熱費込みで月額3万円で生活出来るようにするということ(寮に入れるのは1年間のみ。2年目以降は近隣アパート等に移住)。風呂は温泉付きの共同大浴場、トイレも共同、食事は食堂で自炊、しかも炊いたご飯は会社から提供ということで、原画になるまで、最小限の支出で仕事に集中できる環境が整うようです。つまり、伊豆高原スタジオは、アニメスタジオでありながら、人材育成用の研修所の役割も担っているようです。

実は、この伊豆高原スタジオは、開設前なので、スタジオの正確な住所がまだ公表されていません。スタジオの外観や内部の写真は募集要項やTwitterに掲載されているので、それを元に、場所を特定して、今回、見に行ったのですが、調べていてわかったのが、もともとこの伊豆高原スタジオの施設は、某学校法人が研修センターとして使っていた建物なのです。だから、募集要項から研修所のようなイメージで伝わってくるのは自然だったわけですね。

WHITEFOXが地方に作りたかったスタジオは、通常のアニメスタジオというよりも研修所の役割も担える施設だったことが、おぼろげに見えてきました。そして、そのコンセプトが見えてきたからこそ、どんな場所なのかとても気になり、今回、実際に伊豆高原へ訪れてみることにしたのでした。


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8月29日、私は「18きっぷ」と「ぷらっと伊豆高原往復割引乗車券」を手にして旅だった。伊豆高原駅までは、JR東海道線で東京から熱海まで1時間45分、そこからJR伊東線、伊豆急行線を乗り継いで行き45分、夏休み中なので、車内は家族連れやカップルでいっぱい。そんな旅行者たちと一緒に伊豆高原駅で下車した。

伊豆高原は、伊豆急線沿線でも有数の観光地で、目の前に見える大室山周辺には「シャボテン公園」や「ぐらんぱる公園」といった観光スポットがあるだけでなく、小規模な美術館・博物館が非常に多く点在している。もともとは伊豆急行が別荘地として開発した土地で、駅から山の方へ少し歩くと別荘地だらけなのも特徴だ。


さて、伊豆高原スタジオへ行くには駅からバスに乗るのが一番楽。と言っても、このバスが曲者で、伊豆高原スタジオの最寄りバス停へ行く路線は、なんと1日に3本しか走っていない。逃したら歩くしかないぞ!!


バスは、別荘地である住宅街の山をどんどん登って行く。この道は、3キロにわたる桜のトンネルとなっていて伊豆高原の名所の一つ。春になったら、物凄く綺麗でしょう。もし、WHITEFOXのアニメにこの桜のトンネルが登場したら舞台探訪者が訪れるスポットになるでしょう。

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バスに乗って10分、辿り着いたのが伊豆高原スタジオの最寄りバス停。なかなかのネーミングだ。
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伊豆高原スタジオは、このバス停からは徒歩1、2分ほどと物凄くアクセスが良い。閑静な別荘地の中を歩いて行くと、入り口が見えてくる。現在は入り口にロープが張られており、これ以上、先へ進むことは出来ない。



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実際に訪れてみると、地図で見ていたよりも敷地が広く感じる。また、行ってみるまでは、まわりには何も無い所かと思っていたけれど、周辺が別荘地だからか、オシャレなカフェや飲み屋さん等、飲食店が点々としている。そのほか、近くにライブハウスがあったのも驚きだ。またコンビニまでは2キロ、駅までは2.5キロなので思っていたよりも不便は無さそうという印象。徒歩で移動できる許容範囲内。ただし山なので自転車はツライ。

また、伊豆高原スタジオの周辺で気になったスポットは「ジュディ・オング資料館」。ちょっと敷居が高そうで入れなかったのだけど、是非、アニメに出していただきたい謎スポットの一つ。

観光地なので、休日に暇すぎるということは無さそう。少し足を伸ばして、『夏色キセキ』の舞台として有名な下田まで行けば、さらに観光地は多そうだ。
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とにかく、住んだら楽しそうな伊豆高原スタジオ、今後、クレジットに載る日が楽しみです。
ちなみにスタジオの中はTwitter等で色々公開されている。