旅行へ行けなくなった男の面子を描く『キテレツ大百科 187話』は『新・男はつらいよ』のオマージュ? - アニメ
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2015

旅行へ行けなくなった男の面子を描く『キテレツ大百科 187話』は『新・男はつらいよ』のオマージュ?

CATEGORYアニメ
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今週の木曜日にチバテレで再放送されたキテレツ大百科 187話「語るも涙!ブタゴリラ一家の悲惨な休暇」を見た。

休暇中に北海道旅行へ行くことになったブタゴリラ一家は旅行の当日、飛行場へ着くと予約していた飛行機は、なんと前日の便であったことが判明する。旅行は中止となってしまうが、散々、ご近所に北海道へ行くと触れ回った手前、いまさら本当のことは言えないというブタゴリラ父。仕方なく、ブタゴリラ一家はバカンスへ行き留守中であったトンガリの家を借りて、そこでしばらく隠れて生活することにしたという話。

自分は昨日、録画でこの『キテレツ大百科』の再放送を見たのだけど、その直後にBS JAPANで放送された『新・男はつらいよ』を見たら、途中までそっくりな話で驚いた。デジャブだよ。



競馬で大穴を当てた寅さんが、おいちゃん夫婦をハワイ旅行に連れて行くと言い出す。ところが旅行出発の朝、あろうことか旅行会社に金を全て持ち逃げされたことが分かる。ご近所にはハワイへ行くと触れ回り、盛大に見送りをされた寅さんは、いまさらハワイへ行けなくなったと言えず、羽田空港からコソコソ「とらや」へ帰って、夜は電気も付けず隠れて生活することになる。

両作品とも、隠れて生活している間に事件が起こるのだけれど、その事件後の展開で、全く違う話に転がっていくのが興味深い。寅さんは泥棒に入られたことが原因で、「とらや」に隠れていたことが近所にバレてしまう。ブタゴリラ一家は全国放送で行方不明と報道されても、面子を保つために隠れ続け、その後、キテレツの発明した防犯装置から逃げるために、家は追い出されるわ、食料も尽きるわという極限状態にまで追い詰められるスペクタルな話になっている。

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『キテレツ大百科』の脚本家である雪室さんは、この話の前半を『新・男はつらいよ』のオマージュとして書いていると思うのだけれど、あまりに違和感のないキテレツ大百科らしいエピソードとして仕上げている。

そもそも『新・男はつらいよ』は旅行へ行かなかったことが周囲へバレて、寅さんは、おいちゃんと喧嘩し「とらや」を出て行くこととなる。寅さんの留守中に、幼稚園の先生(この映画のマドンナ)が、とらやに下宿することとなり映画が動き出す。つまりバレることに映画として意味があった。

一方で『キテレツ大百科』は旅行へ行かなかったことが最後までバレない(キテレツ達は感づいているけど)。アニメの『キテレツ大百科』は、話の序盤に何か謎があって、キテレツが発明で謎を解いていく話が多い。このエピソードもその流れに沿っており、ブタゴリラ一家が、どこへ消えたのかキテレツは推理している。だから簡単にバレてはいけなかった。話の入り口は『新・男はつらいよ』のオマージュであるはずなのに、全体として見ると完全な『キテレツ大百科』のエピソードとして仕上がっているのは、常に奇想天外な話を生み出す雪室マジックなのかもしれない。


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