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「おおかみこどもの雨と雪」、わずか15秒に凝縮されたクリーニング店のリアルな描写 

更新の間がまた開いてしまいまいました。

「おおかみこどもの雨と雪」で花さんがクリーニング屋さんでバイトしていたのですが、その描写がリアルだなぁと劇場で感じて、どこかに書こうと思っていたのですが、お蔵入りになってました。夏コミ本に載せようかと思いましたが、旬もすぎてしまったしマニアックな話なので、ブログに書きました。

このシーンは劇中では、わずか15秒でしか描かれていないのですが、背景だけでなく、花さんの店員としてのリアルな動きからも取材をしっかりしていることが分かります。

まずこのお店、モデルがあります。国立にある「ほくしんクリーニング」というクリーニング屋さん。都下では大手のクリーニングチェーンです。実名で登場するので、公開直後から舞台探訪の方々には有名でした。
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こちらは店内の様子。店内はロケハンをしているのでリアルなんですが、花さんの店員としての動きもクリーニング屋さんとして、けっこうリアルに描写されていています。
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このシーン、最初に接客した人は、クリーニングを出しに来た人だということが仕上がり日を伝えているセリフで分かります。注目は、カウンターを見ると預かった衣服を横にそのままにして、先に伝票(レシート)を渡しているところ。クリーニング屋さん独特の動きですね(と言っても店によって違いはありますが・・)。これはタグ付け(衣服にクリーニング用のタグを付ける行為)に時間がかかるので、とりあえず横に預かった衣服をまとめておいて、お客さんの対応を済ませ、お客さんがいなくなってから落ち着いてタグを付けるからです。2番目のお客さんは、次のカットから仕上がった服を取りに来た人だと分かります。こちらの方の対応のリアルな描写は後述します。

背景に目を向けてみると、店内の掲示物などもおそらくロケハンした時に張られていたものでしょう。リアルな感じがします。「ぼくらのウォーゲーム」でも、理容室にあったPCは、そのまま劇中に登場させたと細田さんがイベントで話していましたっけ。

よく見ると、この場面もレジスターは店内にあったものをそのまま描いています。実はですね、このレジスターがマニアック。「おおかみこどもの雨と雪」で描かれているレジスターは、「あずかりくんSYS-7500」というクリーニグ店専用のレジスター。実際に「ほくしんクリーニング」で使用されているはず。

↓分かりにくいので、拡大してみた。
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モデルになった「あずかりくんSYS-7500」
名称未設定


ちょっとマニアックな話をするとクリーニング屋さんのレジって、クリーニング店専用に作られたものでないと使えないのですよ(と言っても頑張れば普通のレジでもいけるけどね)。その理由は、あのクリーニングに出すと付いてくる謎のタグにあります。
これ↓
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クリーニングから帰ってくる衣服にこんなの付いてきますよね。
このタグ、クリーニングでは超大事。クリーニング屋さんで預かった衣服は、一度、工場へ持って行って、他店舗で集めた衣服と一緒にまとめて洗います。そうすると洗ったは良いが、返すときに、どこの店舗で預かった誰の衣服なのか分からなくなりますよね。そこで活躍するのがタグです。衣服、一枚につき、一枚のタグをつけます。そして、このタグに書いてある店の名前と番号で誰の衣服なのか判別している訳です。

上の写真で言うと、緑色の0-461番は雲雀店で預かったAさんのワイシャツ、オレンジ色の5-981番は本店で預かったBさんのスカートという感じです。

衣服をクリーニング屋さんが預かった時は、まず店員さんが、レジで誰の何の衣服を預かったのか打ち込みます。するとレジが自動的に、預かった衣服に番号を振り分けて、その番号を伝票(レシート)に出力します。この番号を管理する機能が専用レジにしかできないので大事なのです。

そして、店員さんはレジから出てきた番号と同じ番号のタグを衣服に付けるわけです。タグを付けた衣服はタグが付いたまま、工場で洗われて、タグが付いたまま仕上がって、店に戻って来ます。

そして、お客さんが衣服を取りに行く時には、伝票(レシート)を店員さんに渡しますよね。このレシートには衣服に付いているタグの番号が書いてあるので、店員さんは、その伝票(レシート)に書いてある番号と、衣服に付いているタグの番号を照らし合わせて、返却する訳です。

ところで、タグは洗っても文字が消えないのという疑問があると思いますが、消えません。消えないように出来てます。試しに、クリーニングから帰ってきたタグを家の洗濯機で洗ってみてください。紙もぼろぼろにならないし、字も消えません。


ちなみに、こちらは「けいおん!」に出てきたクリーニングのタグ描写。唯ちゃんの制服についていたタグを憂ちゃんが取ってあげたところですね。よく見るとタグに「C」しか描かれていません。おそらくCLEANINGのCでしょう。これはダメです。Cだけでは誰のものか判別できません。
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「おおかみこどもの雨と雪」の話に戻ると、この返却する衣服を探している花さんの動きや店内の描写もリアル。
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花さんがゴソゴソ確認しているのは、衣服に付けてある店控えの伝票です。この伝票に書いてある名前とタグ番号を見て返却する衣服を探してます。目線がやや下になっているのは伝票を見ているためですね。リアルです。裏で行われている作業のため、これも実際に取材しないと描けないシーンですね。ちなみに、この伝票も、先ほど述べたレジスター「あずかりくんSYS−7500」から出力したフォーマットを忠実に再現しています。
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(アッセンブリ伝票の見本はライト社のホームページより拝借)


あと、ハンガーラックに日付が付いているのは、返却日ごとに衣服を分けて整理しているということを示しています。このような分け方はクリーニング屋さんごとに違いますが、ほくしんクリーニングでは恐らくこのようにしているのでしょう。返却するときに衣服を探しやすいのでお客さんを待たせずにすみます。6月の話なのですが、向かって左側のハンガーラックには5月返却分の衣服が残っています。まだ取りにこない人が多いのでしょう(5月は特に多いです)。ちなみに後ろの棚は畳のワイシャツ類で、その上は布団。なかなか細かいですね。


これだけ語ったけど、一連のクリーニング屋さんで仕事をしている花さんのシーンは劇中で15秒しかありません。逆に言えば、わずか15秒にこれだけ凝縮されているということですよね。素晴らしい。


そういえば、おおかみこどもの雨と雪の絵コンテを買ってなかった。このシーンはどんな感じに描かれているか確認しよう。



おおかみこどもの雨と雪 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)おおかみこどもの雨と雪 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)
(2012/07/21)
アニメスタイル編集部

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